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□魔法
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二人揃っての久々の休日。


この日をとても楽しみにしていたテンテンは、朝早くにネジの家の戸を叩いた。


まだ寝呆ける頭で戸を開けると、ネジの眠気は何処かへ行ってしまった。




「テンテン…?」


「…何よ、その反応は!私だってお洒落くらいするわよ」




目の前に居るのは、数えるほどしか見たことのない私服を纏ったテンテンの姿。


トレードマークであるお団子頭も今日はほどかれており、ふわふわの髪の毛から香る彼女の匂いがネジの鼻を掠めた。




「久々に見たから少し驚いた」


「最近任務続きだったもんね。あ、今日は買い物付き合ってね♪」


「…仕方ないな」




どうも、調子が狂う。


見慣れたはずのテンテンなのに、何故か直視できない。

何故か、とは言うものの、彼自身も理由は分かっている。


率直に、可愛くてたまらないのだ。


勿論いつもの任務着でお団子頭の彼女も可愛いのだが、今日は自分でも驚くほどに心臓の鼓動が速い。




「…重症だな」


「何か言った?」


「いや、別に」




自嘲してしまうくらい、いくら時が過ぎても愛しい気持ちは薄れない。

薄れるどころか深まってしまうのだから救いようがない。



早く行こうよ、と催促するテンテンをとりあえず部屋に入れて座らせる。


しばらくは黙ってテレビを見ていた彼女が思い出したように声を出した。




「今日はネジも私服ね♪」


「は?」


「任務着は禁止!たまにはカップルみたいに私服でデートしようよ」


「……」




楽しそうな彼女の笑顔を見てしまっては何も言えない。


仕方ないので数少ない私服の上に、去年の冬にテンテンが選んだコートを羽織る。




「やっぱりネジにピッタリね」


「…動きづらい」


「着慣れてないから仕方ないわ。にしてもなんか新鮮♪」




にこにことしたテンテンに腕を引かれ、二人は木ノ葉の商店街へ出掛けた。








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