BL小説
□アンタだけ・・・
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「んっ・・・ふっ・・・」
土方は傍に来た斎藤の唇に自分のそれを重ねた。
斎藤もそれに必死に答えた。
元々身長さがある2人
自然と斎藤が土方のキスを受ける形になり、土方は自分の場所と入れ替わり、窓に斎藤を押し付けた。
「土方、先生・・・」
上気した頬、少し潤む瞳
紡いだ言葉は自分が愛した人の名前
「今は先生じゃねぇよ・・・」
「土方さん・・・」
「どうした、一・・・」
「好きです・・・」
「知ってる」
斎藤が所属する部活の顧問を務めている土方は、ほぼ毎日と言って良い程授業以外で顔を合わせている。
しかし、斎藤はそれでは足りなかった。
好きと分かってから、その気持ちを押し込めようと一人悶々としていた斎藤。
そして、つい先日気持ちを打ち明け、気持ちを通わせる事が出来たのだが、
溢れてくる愛しいという気持ちに枷を掛けることが出来ずに居た。
そんな時、それを見兼ねた土方が週に一回、自宅や準備室で逢瀬を交そうと提案したのだ。
「アンタはずるい・・・
俺の心を全部持っていく・・・」
斎藤はそう呟いた。
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