短篇集
□虚心坦懐
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空は高く、手は届きそうにない。
夜空に浮かぶ星を掴もうと、切磋琢磨する子どもたち。
彼らに見えた空は、もう、見えない。
今、見える空はぼんやりとしていて、青いだけの空虚。
掴めるものは何一つない。
水溜まりから浮かび上がる目に見えない雫。
子どもたちは掴めただろうか。
わたしには見えない、この雫を。
空はいつまでも晴れやかで。
ぼんやりとしていて、しかし、鮮烈に存在する。
わたしは空を見上げる。
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