短篇集
□夕焼けの中
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ゆっくりと太陽が傾く。
空の上にあったときは、ただの光のかたまりなのに。
傾けば傾くほど、太陽は赤い光を放って世界をオレンジ色に染め上げる。
この世界は熟れた果実のよう。
見るものすべてを引きずり込む不思議な力を持っている。
それでいて何にも興味を示さない。
それはまるで罪。
何もかもを巻き込み、最後は冷たく突き放す。
それはまるで裏切り。
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