短編

□EVERYBODY HAS THE DEVIL ON INSIDE@
2ページ/11ページ


今日も退屈な1日だ。朝起きて学校にきて半日つまらない授業を聞いているだけ。
同じ毎日を過ごしているような錯覚を覚える。
実際にそんなことは無い。
少しずつ授業は進んでいるし、ニュースの内容も変わっている。多分、クラスの連中の会話も毎日変わっている。
僕が淡白だから解らないだけ。
それでも自分に関係してくれば自然と変化は訪れる。
「なんで委員会なんかやらなきゃいけないんだよ。」
一人愚痴をこぼし、誰もいない廊下を歩く。
やりたくもない委員会をやっているのは必ず一つの仕事をしなければいけなかったから。そういう学校らしい。
また音楽でも聴きながら帰ろう。鞄を開く。
「無い…。」
僕のミュージックプレーヤーが無い。
「しまった〜…。」
教室の机の上に置いてきてしまったようだ。
参ったなぁ。誰かに盗られてるかもしれない。早く教室に行こう。
真っ直ぐ歩いて階段の近くが僕の教室。階段を降りる前に気付いて良かった。
どの教室も例外なく灯りは消えていて廊下は薄暗くなっていた。ただ、教室は夕日が差し込んでカーテンが綺麗に橙色に染まっていた。
普通なら、この色に何かしらの感慨を抱くだろうか。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ