短編

□神なんて信じない
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全てを話した。親友ぐらいにしか言ってなかった事を。
またこみあげてきた。
「そうか。数ある不幸の中でも大切な人をなくすのはきついな。不幸は比べるものじゃないけどね。」
「だから、運命を担っている神を憎む。」
「それは違うな。神はこの世界を創り、海と大地を創り、そして生命を創った。あとは時とともに勝手に発展していった。神は気まぐれに救って、気まぐれに見放すだけ。」
「ずいぶんと勝手なんだな。」
「まぁね!」
不思議と妙な空気を持っている。まるで全てを掴んでいるような…。
「そういえば何故ここに来たんだい?」
「誰もいない所を探してたらここにいた。」
「それはまた奇妙な縁だね。僕も誰もいないと思ってここに来たんだが。やっぱりココは面白い。」
何を言っているんだ?
「久しぶりに人と話した。楽しい一時だったよ。お礼に一つ救ってみようかな。」
男はそう言ってウィンクすると光の粒となって消えた。
「消え…た?もしかして、本当に…?」
光の粒が夜空に消えていく。





急いで病室までかけぬける。
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