短編

□EVERYBODY HAS THE DEVIL ON INSIDEE
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「ですよねー。ごめんなさい。」
「悪ふざけが過ぎました。」
山田くん、笹雲さんの順に謝った。
つまり、僕は担がれた訳だ。
恥ずかしい。穴があったら入りたい。マンホールないかな。屋内にある訳ないか。
そもそも早く登校してるってことしか知らないのに優等生って決めてる僕が悪いのかもしれない。もしくは優等生でも信じてはいけない。
「冗談はさておき。霧生くん、こっち来て。」
「はい。」
「今シャツ羽織ってるよね。それと同じファッションで色を替えてみよう。」
「うーん。」
「はい、これ。茶色チェック。羽織ってみて。」
「はい。」
「お、ちょっと明るくなるね。」
「うーん。」
「はい、これ。白色。」
「はい。」
「お、だいぶ雰囲気変わるるね。」
「うーん。」
「はい、これ。ピンクのカラフルチェック。」
「…………。」
「そんなじと目で見ないで!今度は嘘じゃないから!」
「…うーん。」
渋々着てみる。うわぁ、全然見慣れない着慣れない。
「良いじゃん霧生くん。爽やかだよ!」
黙って見ていた笹雲さんが言った。
爽やかなんて初めて言われた。
「でしょー。ちょっと腕まくりしまして。あと中に白色のティーシャツ着ればもっと良い。持ってる?」
「う、うん。」
「そっか。じゃあ今日買っていこう。」
う、何故バレた。
選ぶのがめんどくさいなぁ。
「この辺にあるのがオススメかな。」
「うーん。じゃあ、これにしようかな。」
どこかの街並みがプリントされたもの。どこの街かは分からない。
「綺麗だね。俺もそれ好きだよ。」
おお、心強い。やっぱり自信が無いから言ってもらえると助かる。
「次はパンツだね。せっかく細い体だからそれを活かした細身のパンツが良いな。」
「パンツに細いとか太いとかあるの?」
「あるよー!霧生くんがはいてるのは30インチくらいでしょ?俺のは28。」
「何でズボンはいてるのに見えてるの…?」
「ブッ!」
「ふっ!くくっ!」
「………っ!」
急にみんな吹き出した。純子さんに至っては下を向いてプルプルしてる。
何かおかしいこと言ったかな。
「いや、ごめんごめん。今のパンツはズボンのこと言ってたんだよ。」
「そういう言い方もあるでしょ?」
「…………っ!!」
「……あぁ。」
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