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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第三話B
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「ヒャハハハ。なんで分かったぁ?ちゃんと小石まで投げたのにぃ。」
コイツ…。自分が殺気を殺しきれないのを理解してるから、注意を引く為に遠くに小石を投げ、俺がそれに反応してから仕掛けやがった。
それがなかったらこんなに深い傷はもらわなかった。
「ヒッヒヒィ。まぁ、でももうちょっとかぁ。」
奇襲でくるなら俺もやってやる。丁度よく通路は三つ近くにある。ビリーからは見えなくなる通路を選んで急いで隠れ込んだ。
「あっ!待てよ〜。」
それを追ってビリーが角に入る。
「見えたぁ。これならすぐに捕まえるゼ?」
ビリーは走り出す為の一歩を踏込む。
  ザクッ!
「あぁ?」
左右の壁にあるパイプから紐が張られており、その紐が脛の肉に食い込んでいる。
走り出す勢いのまま転倒した。
「なんだこりゃぁ?ヒャハ。紐が刃物みたいになってやがる。」
試しに触れてみる。
ザクリ、と指先が裂ける。
「ヒャハハハハハ。そういやぁ、さっきもただの紙が刺さったな。そうか…。」
こぼれ出る血を舐めながら微笑む。
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