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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第三話B
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「この…!」
向き直した先にビリーはいなかった。
一体何処に?落ちてた斧もないし。マズいな。多分使い慣れてる斧を選んで回収したのだろう。
とりあえずこっちも飛んできた鉈の方を回収しておこう。
「マジでヤバいかも…。」
初めて公園で会った時は全く気配を感じなかった。壁を背にしておけば後ろから襲われることは無いが、それじゃあ攻撃できない。アッチが俺を見つけてないことを祈って探しに行くか。
ゆっくりと魔窟を思わせる路地裏を歩きだす。前の公園の時みたいに嫌な視線は感じないが、不気味な雰囲気はこの路地裏全体から感じられる。
こっちは鉈であっちは斧か…。でも俺は鉈を使ったことが無いから不利だな。かと言ってナイフを使ったら鉈を手放すことになる。アイツに二本持たれると厄介だし…。
「…ん?」
ほんの微かに前方から音がした気がした。
殺気!?
反射的に前方に跳んだ。殺気を感じたのは後方からだったから。
「痛ぅッ!」
背中を切られた。出血もしている。
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