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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第三話A
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ちょっと前にもここを歩いたが、あの時と違って確固たる自信を持って歩いている。けど、やっぱり根拠はない。
ただ、匂いがする。なんとなく前にどっかで感じた匂い。その匂いが俺を呼んでいる気がする。そして段々と近付いてきた。
そういえばアイツが待っている気がしたから俺は探しているけど、会って何をするんだろう。ただ話し合うって訳じゃないし。じゃあ…。
匂いが強くなってきた。多分、次の角を曲がったら……
「ヒャハハ、やっぱり会えた。一日振り〜。」
一際広い場所に出た。珍しくこんな所に外灯があった。その外灯の光を受け、大きな影を落としている人物がいる。
茶色くてクセの強い髮と瞳。タンクトップにミリタリーパンツ。歪んだ口端。昨日会った外人。
ビリーだ。
「そういやぁ、そんなもんしか経ってないな。」
そう。話し合いなんかする訳がない。やるコトは決まっている。
「さぁ!始めようぜぇッ!!」
何処に持っていたのか。いつの間にか持っていた斧を振り上げた。
やるコトは一つ。
「殺し合いをよぉッ!!」
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