読物

□退魔師列伝 魔刃朱殺 第三話@
4ページ/11ページ

「ここに来るのに協力してくれた奴が辞書とか現代語とか色々くれたから、てきと〜にパラパラ読んでた。」
「スゴイな…!意外と頭良いんだな。」
「意外って。じゃあ、どう見えてたんだ?」
微妙ににやけた口端が強張った気がした。
どうって……
「殺人鬼とか?」
冗談半分のつもりで言った。確かになんとなく思っただけで、それをなんとなく口に出してみただけだった。
それなのに何故そんな貌で黙って俺を見つめているんだ?
耳まで届くのではないかと思う程吊り上がった口。開ききった眼。
コイツはオカシイ!
ふと、吊り上がった口が喋りだす。
「だからお前も同類だって。」
………ッ!!?
声にも出せなかった。何を言ったんだコイツ?何が同類だって!?
ヤバい!コイツはヤバい!!
具体的な言葉は全く浮かばないが、コイツはナニかがヤバい。
開ききった眼はこちらを見つめ続ける。重苦しい沈黙が寥を支配する。
嫌だ!ここにいたくない!ここにいるとヤバい!!どうすればここから抜け出せる?
……コ…ロ………ス…?
「あっ!この辺にコンビニある?」
いつの間にか元のただにやけただけの貌に戻っていた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ