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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第二話
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「大丈夫か、冬人隊員!?」
「隊長…、俺よりも奴を…。」
「分かった。カタキはとってやる!」
おのれ寥!部下の怨みを晴らしてやる!!
寥向けて消しゴムを発射しようと腕を大きく振りかぶった瞬間、先生と目が合った。
「……。」
「……。」
見つめ合う二人。重苦しい沈黙に包まれた秋人。
「授業中は落ち着きなさい。」
「あ、ハイ。すいません。」
微妙に声がうわずっている。そしてまた先生はまた黒板に向かう。それと同時に寥が振り向いた。
  ニヤリ。
悪魔のような笑みを浮かべた。




「ひでぇよ寥〜。」
「英語の先生じゃなかったのが残念だったな、冬人」
「だな。もし英語だったら面白いコトになってたのに。」
「聞けよ二人とも〜。」
今は昼休み。昼休みは大概3人で昼食を食べる。友達がそんなに多くない代わりに付き合いは深い。
「うるさいな。お前等二人が消しゴム投げるから悪いんだろ!」
「だって冬人が投げようって言うから。」
「人の責にすんな!隊長はお前だろ!!」
そう言いながら弁当のおかずを奪おうと秋人の手を払う。
「それにしても投げた後の寥の笑顔はすごかったな。」
「ホント悪魔みたいだった。」
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