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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第二話
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「お前にそれを言われたくないな。それこそ秋人ならテストの日だって休むだろ?」
「えー!そんなコトないヨ。」
そこで会話の流れを見ていた冬人が一言。
「まぁ、つまりは二人とも慢性的な気分屋ってコトだな。」
「「冬人には言われたくねぇっ!!」」
「……。」
二人に同時に正しいコトを言われ、言い返せない冬人。
類は友を呼ぶという言葉がガッチリはまる三人であった。


キーンコーンカーンコーン。
授業が始まりそれぞれ席に着く。高校に入って2ヶ月。まだ生徒達は大人しい時期。
先生黒板向きっぱなしだなぁ。あ〜、授業かったりぃなぁ。でも自分の為だしなぁ。今はちゃんとやっとかないとな。
パシっ、ピシっ。
後ろから消しゴムのカスが飛んでくる。
この量からして二人で投げてやがるな。
まだ名前順の席なので秋人と冬人は後ろの方の席で前後に並んでいる。その二人が先生の目を盗んで消しゴムのカスを投げている。
野郎…。
「食らえっ!」
心の中で短く唱え、消しゴムを冬人めがけて投げる。砕かず、そのまま。
「グハァ!」
先生に見つからないようろくに悲鳴を出せないので押し殺した悲鳴が漏れる。
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