読物

□退魔師列伝 魔刃朱殺 第一話
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瞼を開けると白い天井が目にしみた。
さっきまで薄暗いトコにいたから目が痛ぇな。
「って、何処だココ?」
いつの間にか俺はベッドの上で寝ていた。なんで?
「おっ、目ぇ覚めた?」
メガネをかけた男がパソコンをイジリながらこっちを向いた。その手には手袋、口には白い棒が咥えられている。
「あっ、さっきの。メガネかけてるからすぐ分からなかった。」
「割と元気そうだな。」
「俺はなんでこんなトコに?誘拐?」
「まぁ、そんなもんだ。コーヒー持ってくるからちょいと待ってろ。」
そう言って部屋を出ていった。
そんなもんってどんなもんだ? そんで部屋出てくし。マイペースな奴だな。
しかし、今まで何もされなかったから平気だろうけど用心しとくに越したコトない。ナイフを…
「やられた。」
「お待たせ〜。」
「ナイフ返せっ!」
男は聞こえなかったようにイスに座った。そしてコーヒーを一口。
「あぁ、あれなら怖いから俺が持ってた。」
「エッ!過去形?」
「いや、今も持ってるよ。」
なんだコイツ…
「じゃあ早く返してくれ。」
「はいよ。」
刃をこっちに向け真っ直ぐ投げて来る。
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