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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第六話@
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「紅茶でいいか?」
「あ、いや、ありがとう。」
「砂糖は?」
「少し」
思えば、友達の家にあがるという経験があまりなかった。社交性が無いのも確かだけど、幼い頃から普通じゃない生活をしていたというのも大きいはず…。
「ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
「なんでも聞いてくれ。」
「生雪の父親のことなんだけど…。」
「…………………。」
「あ!いや、刹那に聞いた方が良いか。」
……………。
「……僕が、答えよう。」
多分、寥は僕のことを友達だと思ってくれている。それはとても嬉しいこと。
だから僕は友達の寥に出来る限りのことを応えなければいけない。





あの日僕は、たまたま親に連れてこられた土地で実戦の修行をしていた。相手は幼い僕でも一人で戦えるような低級魔ばかり。この時の僕は命の危険性や、戦うのに必要な種々の覚悟を知らなかった。だから、後悔することもある。
基本的に魔が現れるのは夜。この日も魔と戦っていたら深夜になってしまった。
近くに気配も無いし今日はもう帰ろう。そう思った時、指令が入った。
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