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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話H
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「じっちゃん、生雪の容態は?」
「問題ない。じきに眼を覚ますじゃろう。」
「良かった…。」
生雪は安らかな顔でベッドの上で眠っている。
「意外と無傷なのがムカつくな。」
「…確かに。」
応じたのは劫。少しずつ素を出しているようだ。
「おそらく、残りのチャクラを使って本体を守る保護機能が働いたんだろう。」
それにしたってみんな傷だらけなのにコイツだけ暢気に寝てるのはなんか腹立つ。
「か、かいなんサン…ッ!?」
意味不明の言葉と共に眼を覚ました生雪。
「お、眼ぇ覚ましたか。」
「オハヨー、ってアレ?なんでみんな傷だらけなの?」
なんて答えるべきか。真実を言うと生雪が負い目を感じてしまうかもしれない。だからといって嘘で誤魔化しても生雪の為にはならない。
あれは事故だったと俺は理解している。そこを上手く説明できれば良いんだが…。
「お前が暴れてやったんだぞ。」
「な………ッ!?」
はっきり言いやがった!軽率過ぎるだろ四阿サン!?
「…………。」
生雪は黙って下を向く。
くっ!どうやって補足すれば良いんだ。生雪が責任を感じないように……。
「ごめんなさい!ホント悪かった!」
両手を顔の前で合わせ頭を下げた。
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