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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話G
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「刹那、これを持って先に逃げろ。」
投げた携帯電話を受けとる刹那。
「あ?何言ってんだテメェ?」
「さっき戦えないって言ってただろ?だから安全な所まで逃げてケータイで四阿サンていう俺の上司を呼んでくれれば良い。」
そう、四阿サンを呼んでくれれば何もかも終る。ただ、そうすれば生雪は危険指定を受けて処分されるだろう…。俺が弱いから、こうなった。
何かを手に入れるには、何かしらの力が必要。
俺にはそれが無かった。だからしょうがない、と割り切るしかない…。
「ふざけろよ?テメェだってボロボロじゃねぇか?」
「俺はボロボロだけど戦える。刹那は戦えないと言った。それならこれが適所だろ。」
「ざけたことばっか言ってんじゃねぇぞ。少なくとも手足ズタズタで骨折もしてるテメェよりよっぽどうまく戦えんだよ。」
ばれてたか。それでもここは退きたくない。
「ごちゃごちゃうるせぇよ。俺が行くって言ってんだよ。」
「だから刃内が行っても死ぬだけだって言ってんだよッ!」
「そんなの刹那だって同じだろ!?だったら俺が行っても良いじゃねぇかッ!!」
「あぁ、うるせぇうるせぇ!俺が行くって言ってんだよ!」
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