読物

□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話A
3ページ/10ページ

風呂上がりの四阿サンがアイスをくれた。考え事していて後ろにいるのに気付かなかった。
腑抜けた顔でソファーに座る。テレビの正面に座るから必然的に隣になる。
「何見てんの?」
「ちょうど終わったとこ。」
「そうか。」
本当に興味を持って訊いてきたのか…。
「ねぇ、キマイラって知ってる?」
「あ〜、知ってる。」
「ちょっと教えてよ。」
生雪の説明だけじゃよくわからない。詳しく知っておいた方が良いだろ。これから長い付き合いになるかもしれないし。
「ビックリ合成怪獣。」
「……。詳しく教えてくれない?」
またテレビを見ているのか間の虚空を見ているのか解らない目をしている。
「んー。全てのキマイラ種に共通することは体の一部を獣に変えられる能力。」
「全ての?」
「キマイラにもいくつか種類があるんだ。まず最初にキマイラの発祥と呼ばれる『神々の殲兵(センペイ)』がいる。神々の時代、神代に戦争が起きて、ありとあらゆる能力を持った万能生物兵器が造られた。それが最初のキマイラ。このキマイラ種は現代では神とも言われている神代の生物をも体の一部に宿すことが出来るらしい。」
「それはやっぱりすごいの…?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ