読物

□退魔師列伝 魔刃朱殺 第四話B
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「はぁッ、はぁッ!」
黒い衣が風に乗って塵へと化していった。木々の間の闇の中に消えていく。
「…勝った。」
魔というのはこんなに多種多様だとは…。知らない能力ばかりで毎度困る。でもこれからはもっと色々な能力も見るだろうし、もっと強いヤツとも闘うだろう。もっと強くならねば。
「でも今日は勝てたからそれで良いか。」
夜の空気を吸って、たかぶった気持ちを落ち着かせる。
「あれ?この鎌は消えないのか。しょうがない、俺が処分するか。」
大鎌を引きずってサナトリウムまできた。木製の建物は白色で統一されているが、所々腐食している為に清潔感がない。ベランダが高い位置にあり、地面から階段で繋がっている。寥はそこに鎌を立て掛け、腰をおろして休息をとった。
「ふぅ〜。また怪我したな。診療所行かないといけないけどビリーがいるから嫌なんだよなぁ。」

穏やかに森の住人達が鳴いている。

「冬人のヤロー気持ち良く寝てんだろうなぁ。こっちは寝不足な上に怪我してるっていうのに。」

カタカタと鳴っている。

「明日は学校サボろうかな。朝に起きれる気がしねぇ。」
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