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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第四話@
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「ちげーよ!漫画くらいで落込むか!?」
「じゃあなんかあったか?」
また冬人は窓の方を見た。空は赤みを帯びている。
「昨日の夜、変なモノを見たんだ…。」
冬人が神妙な面持ちで喋りだした。
「変な、モノ?」


昨日の夜、何故か目が覚めて、病院で夜中に目が覚めるなんて不気味だな、とか思いつつ置いておいた水を飲んだんだよ。もう一回寝ようと思った時になんとなく窓の外を見たら、窓の外にボロボロの布きれを被った骸骨が大きな鎌を持って立ってたんだ。まさに死神のイメージそのものだった。あまりにも驚いて声も出なくて、しばらく見入ってた。
このまま何もしないで見てても変らない、行動しないとと思った時に変化が起こったんだ。
骸骨の身体がスウッと透けたんだ。姿が消えた訳じゃなく、背景が見えるくらい色が薄くなっていった。その状態のまま近付いてきて、なんの抵抗もないまま窓を通過してきた。音もなく部屋に入ってきた骸骨は窓際のベッドで寝ている爺さんの顔をじっと見てたんだ。


「へぇ、そりゃぁすげぇ…。」
「信じてくれなくても良いんだけど、いつの間にか寝てて朝起きたらその爺さんは違う病室に運ばれてた。」
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