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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第七話@
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「群狼爪拳!」
無数の傷を受ける魔の体。
そのまま後ろに倒れそうになった。
「利刃鎖。」
刃化した自転車のチェーンを巻き付けた。
背中に五本の角を生やした蛙型の魔がもがいて脱け出そうとする。しかし、動くほどに刃が食い込む。退魔効果の利刃に触れているだけでも苦痛のはずだ。
「弾け。瞬烈の炎弾!」
槍の穂先が魔の身中に突き刺さり、内部から爆発した。
口や鼻、体中の穴から黒い煙を吐き出し生き絶えた。自らも黒い粉と化して風に消える。
一呼吸置き、魔が消え去ったことを確認してから構えを解いた。
「やっぱ三人だと楽だな。」
ぽつりと、呟く。
「確かに。手応えが少ない。」
聞こえていたのか劫が応える。
「えぇ〜、良いじゃん。楽しようよ。」
生雪は違う意見のようだ。
「…俺が一番乗りした時は手を出さないでもらえないか。危なくなったら助けて欲しいけど。」
もっと経験を積んで強く成りたい。
「了解。僕の時もそうして欲しい。」
「…むぅー、じゃあ俺もー。危なくなったら助けてくれよぉ。」
「生雪はどうしようかなぁ。」
「えぇっ!なんだよそれ!?意地悪すんなよ!!」
「だって生雪だから。なぁ劫?」
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