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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第六話E
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「中々見つからないねー。」
「そうだね。」
花火の見える範囲で歩いているが冬人も秋人も生雪も劫も美作サンの友達も見つからない。
「浜の方で見るのかなぁ。」
「あっちは早くから場所取りしないとダメだから、それはないと思うけど。」
「じゃぁ誰かが特等席取ったのかなぁ。」
「うーん。そうだったとしても先に行っちゃうほど薄情かな。」
ゲームの商品の中に花火の特等席があった。しかし知り合いの外人が何故かいたので、あそこだけはどうしても行きたくないと言って美作サンを説得した。
「だいたいの場所は探したよね?」
「思い付く所はね。すれ違いになったかな。」
「これだけ人が多いからね。」
「まいったな。」
「でも人探しもお祭りの醍醐味だよね!」
「それもそうか。お祭りじゃないと中々こんな機会ないな。」
「それも一人だと辛いけどさ、今は刃内クンがいるから。」
ドキリとした。
ここから見える美作サンの横顔には、微かな笑みとたしかな感情が見えた気がして。
「…うん、俺も美作サンがいてくれて良かった。」
「……………。」
「……………。」
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