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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第六話@
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あれから一日経った。傷の手当ては昨日のうちにしてもらったが、二日ぐらいは通院を勧められたので午後から診療所にきた。
「失礼します。」
一言発して中に入ると刃内…寥がいた。診療も終わるところなのか包帯を巻いてもらっている。
「…寥。」
「よ。劫も通院か?」
「あぁ。だいぶよくなっているけど、大事を取って診てもらうことにした。」
「だよな。俺は四阿サンに包帯だけ替えてもらおうと思ったんだけど、怖いから止めた。まぁ、ビリーに診られたら同じなんだけど。」
今日はいなくて良かった、と笑いながら付け足した。
名前で呼び合うというのはやはり違和感がある…。昨日の今日では仕方ないかもしれないが。
「よし。これで終わりじゃ。」
「ありがとうございます。」
寥は慇懃に礼をしてからこっちを向いた。
「この後、時間あるか?」
「…大丈夫だ。」
なんだろうか。何か話しでもあるのか。表情からは大事な話しのようだ。


自分の治療が終わってから二人で寥の家に向かった。
路地裏に面したマンション。よくこんな所に住めるな。一階がコンビニなのは羨ましいが。
「ま、座ってよ。」
中に入ると居間に通された。
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