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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話H
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目覚めると診療所だった。
起き上がろうと手を動かすと痛みと緊縛感があった。
腕とか胸とか色々な所に包帯が巻いてある。それで眠る前に何をしていたか思い出した。
「そうか。あのまま寝ちゃったのか。」
一人納得して上体を起こすと
「ヒヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
ビリーの顔が間近にあった。
「うおぉぉっ!?」
ビックリした!マジビックリした!!なんでビリーがここにいるんだよ?診療所だからか!そうか。
「ヒャッヒャ。ずいぶんご機嫌だなぁ。」
まともにツッコミを入れてると会話が出来ないのは知ってる。
「生雪!生雪はどうなった!?ドコにいる!?」
「診療用のベッドは寥が占領してるからなぁ。奥の部屋の入院用のベッド使ってるぜぇ。」
「ありがと。」
ベッドから飛び降りて奥に向かう。
「なんだよぉ、オレッチは置いてきぼりかよぉ?」
こんな危ないヤツと一緒にいられるか!人体解剖が大好きなヤツだぞ。看病してもらったのは嬉しいけど、寝てる間ずっとビリーに見られていたと思うとゾッとする。
「生雪!」
扉を開くと劫と医者のじっちゃんが同時にこっちを見た。四阿サンはキャンディを舐めながら漫画を見ている。
せめてこっち見ろよ。
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