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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話A
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「ちょうど小腹が減ってたんだ。それでお願いします。」
「おっけ〜。」
再び笑う。見ていて清々しい。
「なんか嬉しそうだね。」
「あれ?顔に出てた?」
「おもいっきり…。」
「うぅ、恥ずかしい…。ここのケーキが大好きでね。でも一人で来てもつまらないし、食べ過ぎると太っちゃうし…。」
「あぁ、分かる。何か理由が欲しい時ってあるよね。」
「そうそう。良かった、分かってくれる人がいて。」
二人で話していると小さな店の前に着いていた。看板には『トマト・トマト』と書いてある。
「ここだよ〜。中入ろ。」
「いらっしゃいませ〜。」
店内に入るとアルバイトらしき女の子が元気に接客をしていた。席に座ってメニューを見る。
「甘いの平気?」
「わりと好きだよ。」
「パスタは食べる?」
「いや、家帰ってから夕飯もあるし遠慮しとくよ。」
食えないこともないけど、ご馳走してもらうのにそんなに頼めない。
「ですよね〜。」
「なんかお勧めある?」
「あたしはどれも好きだけどなぁ。やっぱり人気あるのは苺のショートケーキだよ。」
「じゃあそれで。」
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