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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第五話@
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夜の道を歩いてる。
暗い道を歩いてる。
いつもの習い事の帰り道。少し前から始めた拳法だ。先生は厳しい人だけど、それは稽古中だけで終われば優しくなる。新しい事を教えてもらえるのは楽しいし、最近は組み手もできるようになって充実している。いつかもっともっと強くなって誰かを守れるようになりたいな。
そんな週に三度だけの習い事の帰り道。家は街から少し離れたとこにあるけど外灯は一定間隔で設置されてるから大丈夫。ちょっと間隔が広いけど。いつもはお母さんが車で迎えにきてくれるけど、今日は来れないらしい。たまにある事だから気にしてない。
「お化けでたらどうしよ…?」
自分で口にして余計に怖くなった。
「あと10分もあるけば家だ。平気平気!」
自分に言い聞かせて先に進む。
強くなればお化けが出ても守れるかなぁ?
そういえば僕の守りたいモノってなんだろ。
ふと、疑問が浮かんだ。
僕には兄弟がいないし、お母さんはお父さんが守ってる。お父さんはとっても強いから誰にも負けない。
僕は誰を守れるんだろう。
「あれ?」
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