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□退魔師列伝 魔刃朱殺 第四話@
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冬人が静止しようとした時、看護師のお姉さんと目があった。ものスゴイ目を見開いている。そして、その手に握られているのは…注射器?
「「……」」
俺達が黙ったのを確認するとニコッと笑って部屋を出ていった。
「怖ぇ〜。なんて眼力だ。」
「今度会ったら謝っとこう。」
ちょっとはしゃぎ過ぎたかな。反省。つーかあのお姉さん怖過ぎ。
「まぁ、冷たい目で見られても俺らはすぐ帰れるからなぁ〜。」
無責任な事を言う秋人。まぁ確かに困るのは…
「俺だけ居づらいじゃねぇか!病院から出れないんだぞっ!」
冬人だけだな。
「何か欲しい物あるか?買ってきてやるよ。」
「寥の優しさ程怖いモノはないよ。つーかこの動けない状況でお前らに頼りたくない。」
すっかり冷めちゃって。ただ飲み物買ってこようと思っただけなのに。
「なぁ、冬人〜。あっちの林の中の建物ってなんの為にあんの〜?」
窓の外を指さして秋人が質問した。この病院の裏には林があって、丁度この部屋から見える。大して広くない林の真ん中に白い建物が見える。
「あ〜、たしかサナトリウムとか言ってたぞ。」
「サナトリウムって?」
「えーっとね…」
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