秋色の空(恋愛編)

□プルミエ ジュール
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その時、

ギロロにクルルから連絡が入った。

「よう、先輩」
「悪いがちょっと来てくんねえか?」
「それと・・・」

「其処に日向夏美がいるだろう?」
「一緒に来てもらってくんねえかな」

何の用だ?俺と夏美両方にか?
ギロロは不審に思ったが通信に答える。
「夏美なら今部屋に戻ったところだ」

「ふーん、じゃあ俺から連絡入れるわ」
「先輩、頼むぜぇ」

「解った」
クルルは話が終わると通信を切った。

その後直ぐに夏美の所にもクルルのメカが飛んできて連絡が入る。

「よう、日向夏美」
「ちょっといいか?」

夏美は機嫌が悪い。
「何の用よ?」
クルルに対し荒げた口調で答える。

「おおっと、おっかねえなあ」

夏美は
『そんな事思っていないくせに』と思った。

「用が無いならあっち行ってよ!」

メカにあっち行けのしぐさをする夏美にクルルは
「まあそう言うなよ」
「懐かしいもの見せてやるぜ、くっくっくっ」
と意味深に答えた。

「何よ、懐かしいものって?」

「いいから来てみな、面白いぜぇ」

「誰が!思いっきり怪しいじゃない」
夏美はそばにあった雑誌を丸めてメカを叩こうとした。

「おっさんは来てるぜ」
「え、ギロロが?」

「俺はお二人さんに見せたいんでな、こいつをよ」

「解ったわよ、今行くわ」

夏美はクルルの事だからと警戒しつつもギロロが来ているという事で
地下秘密基地に下りていった。

「その右にある部屋だ」

クルルに言われて来たのは
「966ライブラリー?」

「まあ今までの記録を残してある所って事だぜぇ」
「ドアを開けてみな、くっくっくっ」

クルルの嫌な笑いが気になるが何時もの事だ
夏美は注意深くドアを開けた。
ドアを開けた夏美の目の前にギロロが立っていた。

「夏美、来たのか?」
「よかった、ギロロがいて」

夏美はホッと安心し胸をなでおろした。

「クルルの言う事に素直についてくるな」
「なにがあるか解らんのだぞ」

確かにそうかも・・と思ったが人に注意されるとカチンとくる。
「あんただって来てるじゃ無い」

と、反論すると
ギロロは急に強い口調になり
「俺はいい、だがお前に何かあったら・・・困る」
と、顔をそらして拳を握り締める。

こんな時、ギロロは本当に辛そうな顔をするので
「ごめんね、今度はあんたの所に寄ってからにするわ」
と素直に謝る事にする。

「それで、ギロロ、此処はなんなの」
「ああ、夏美」
「周りを良く見てみろ」
夏美の質問にギロロが周りを指差す。
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