春色の夢(アニメ後日談等)

□あたしだけのナイト
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ギロロが目を覚ました為、夏美と秋はギロロに訳を話して冬樹を探しに出かけた。

・・・で現在に至るのである。
「夏美、此処なら安全だ」
「冬樹の事は任せろ」
「いいな、此処を動くんじゃないぞ」

そう言ってソーサーに飛び乗るとダンガルのいた方角に戻っていった。

小さくなっていくギロロを目で追いながら
こういう時のあいつはとても頼もしく見えると夏美は思った。
「あんな素敵なナイトはそういないわね・・・」
横で嬉しそうに話す秋に
「でも、恥ずかしい物は恥ずかしいの」
と夏美は可愛くない返事をした。

『その割には今日だって冬樹を探すの手伝ってもらおうとしてたじゃない、ギロちゃん気絶していたのにね』
そう思った秋は夏美を見ながら
「結構頼っているんじゃない?」
と小さく囁いたが夏美の耳には届かなかった。

夏美は見えなくなったギロロをまだ目で追っていた。
もう見えない筈のギロロの姿が夏美の目には写り続けている。
『あたしは何時も・・・いつの間にかあいつに頼っている・・・』
『ピンチの時、あいつを待っているあたしがいる・・・』
『あたしだけの・・・ナイト・・・』
『・・・あたしは変だ、どうかしている』

『でもあいつだって・・・』
『どうしてそんなに一生懸命あたしを助けようとするの・・・』
『今日だってあたしがあんなに思いっきり張り倒したのに文句一つ言わないで・・・』
『どうして?・・・』

「あんた侵略者なんでしょ・・・」
夏美は自分の中に芽生え始めた答えを否定するかのように
ギロロの飛んで行った先を見つめて呟いていた。


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