秋色の空(恋愛編)

□宇宙いっぱいに幸せを 中編
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ギロロがケロン星にたってから3カ月がすぎていた。

今日は12月2日
夏美の18歳の誕生日であった。

冬樹やケロロ達みんなが夏美の為にパーティーを開いてくれた為
夏美は楽しいひと時を送っていた。

其処にケロン星に戻っていたプルル看護長がやってきた。
「よかった、間に合ったわね」

プルルの登場に誕生会は一層盛り上がっていった。

「夏美さん、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます、プルルさん」

夏美とプルルの会話にケロロが文句をつける。
「何で我輩はボケガエルでプルルちゃんは『プルルさん』なのでありますか?」

「うるさいわねえ、あんたはボケガエルで十分なのよ」
夏美に言われてケロロは「キーキー」言っている。
周りのみんなは笑っていた。

「でね、これ」

プルルは手に持っていた箱を夏美に手渡した。
「なんですか?これ」
「プレゼント…ギロロ君からよ」

「えっ…ギロロから?…」
「開けてごらんなさい」

ドキドキしながら箱を開けると其処には鉢植えの一輪の花のつぼみ

「可愛い…つぼみ…あら?」
鉢植えには一枚のカードと手紙
夏美はカードを手に取るとカードに書かれているメッセージを読んだ。

『お前が生まれた12月2日という日の奇跡に感謝と愛をこめて』
『ハッピーバースディ夏美!』
『G66』

「…ばか…」

夏美は笑顔のまま大粒の涙を流していた。
「えっ、なになに?」
ケロロが後ろから覗きこみギロロのカードを見る。
「うわー、くさー!まさかギロロの奴がこんなセリフは…」

ケロロは夏美の鉄拳の前に崩れ落ちていった。

『そうよ、あいつがこんなくさいセリフ吐くなんてありえない、絶対変…』
『そう思っていたわ…少なくとも中学生の頃のあたしなら』

『でも、生死の境目に生きている戦士ほど』
『口にはあまり出さないけど、本当はものすごくロマンチストなんだという事…』

『今のあたしにはよく解るのよ』

夏美の涙が幸せに満ちたものであることは
周りにいる者たちにもよく解った。

「よかったね、姉ちゃん」
「ギロロさん…素敵です」

モアや桃華、小雪はもらい泣きをしている。
「うん、みんなありがとう」

夏美の耳元でプルルが小声で声をかけてきた。
「後ね、夏美さん」
「後であなたの部屋に寄らせて、例の件で」
「はい」
夏美はプルルを見てうなずいた。


パーティーも終わり、夏美は部屋に戻っていた。
部屋にはプルルも来ていた。

「プシュッ」

プルルは夏美に何か薬のようなものを打ち込んだ。
針を使用していないので痛みはないらしい。

「はい、今回で終了よ」
「えっ、もう?」

「そうよ、これであなたの体がギロロ君を拒む事は無くなるわ」
「いつでもギロロ君をお迎えできるわよ」

「や、やだ…あ…ありがとう…ございます」

夏美は真っ赤になってしどろもどろになっている。

「夏美さん、あなた可愛いわね」
プルルはそんな夏美を見て微笑んだ。
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