春色の夢(アニメ後日談等)
□ギロロ旅立ち始末記「冬木視点」
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「・・・バ・・・ギ・・・カ・・・」
部屋で本を読んでいるとどこからか聞こえてくる音?声?
最初は何の音か分からなかったんだけど
よく聞くと姉ちゃんの部屋からみたいだ。
あまりいいことではないと思いながら壁によってそっと聞いてみる。
ー泣いてる?−
「ばか…ばか・・・ギ・ロロ・のばか・・・」
伍長がケロン星に帰った日、姉ちゃんは気丈にも涙を拭いて
明るく振舞っていたけど
僕は姉ちゃんが本当は泣き虫の寂しがりやなのを知ってるんだ
・・・弟だもの。
ママも気になったらしく僕の部屋に来て
「今はそっとしておいてあげましょう」
と言ってリビングに降りていった。
次の日姉ちゃんは何も無かったかのように起きてきたけど
顔の腫れがずっと泣いていたことを物語っていた。
「元気そうにはしているんですが・・・」
東屋さんが僕にそっと教えてくれた、
学校でもやることなすことかなりヘンテコだったらしい。
その姉ちゃんは家に帰ると部屋に入ったままだ、
そういえばいつも隣の部屋から聞こえる
623さんのラジオ・・・昨日と今日は聞こえない、
聞いていないのかラジオの音すらしない。
伍長は伍長自身や僕達が思っていたよりも姉ちゃんの
中では大きな存在だったのかも・・・。
姉ちゃんが立ち直るのには思ったよりも時間がかかるかもしれない。