夏色の海(恋愛前編)

□「ベストショット」
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「ボケガエルーいる?ギロロ何処行ったの?」

さっきまでリビングに居たケロロに尋ねようと
階段を降りてきた夏美であったが、
すでにケロロの姿は無かった。

「あれ?冬樹、ボケガエルは?」

携帯をいじっていた冬樹が振り返り
「え?軍曹なら地下基地に用ができたって戻ったよ」
と答える。
「そう・・・」

「それより姉ちゃん見てよ、待ち受けを軍曹の写真にしてみたんだ」
冬樹が携帯を見せる、其処にはボケガエルがいる

「あんた、趣味悪いわねー」
「そんなこと無いよ」
冬樹はちょっとムッとしたようだった。

冬樹のことは言えない、あたしはさっきまで
ギロロを待ち受けにしようとしていたではないか。

「結構いいと思うけどなあ」
ボケガエルの待ち受けに満足している冬樹を無視して
あたしは地下基地に降りていった。

此処は地下基地

「ギロロ伍長、目標まで1km・・・800m・・・400m」
モアが何かを確認している・・ギロロ?
「100mまもなく接触します」

ボケガエルがモニター上のギロロに連絡をとる。
「スカル1、聞こえるでありますか?」

「こちらスカル1、目標発見!中型の宇宙船だ」
「よろしい、ギロロ伍長アンチバリアを最大にして接近し探索を続けるのであります」

「了解、アンチバリア最大・・・ん、なんだ?」
様子が変だ、
「どうしたでありますか?」

「こちらスカル1、アンチバリアの様子が変だ」

ギロロをモニタリングしていたクルルがケロロに言った。
「くっくっくっ、隊長マズイぜえ、アンチバリアの故障のようだ」

ケロロはギョッとしてクルルの方に振り返った。
「なんですとー?ま、まずいであります」
マズイって何よ、あたしは声を出していた。
「マズイって、ギロロどうなるの?」

その声にビックリしたケロロは夏美の存在に気が付く、
「な、夏美殿!!」
「何がマズイのよ?」
あたしは質問を続ける。

「アンチバリアはさっきも言っていたように、光学迷彩なのであります。」
「姿が見えないので敵や得体の知れない物に近づく時に便利なのであります」
「バリアの壊れた今のギロロは敵から丸見えなのでありますよ」

あたしはギロロの映し出されているモニターを見ながら
「やばいんじゃないの?これって・・」
ボケガエルに尋ねた、嫌な予感がする。
「スカル1、撤退、大至急撤退するであります」

だが時既に遅し、宇宙船から4〜50人の宇宙人らしき者が出てきた。
「くっ、こいつぁまずいぜ、A級の敵性宇宙人だ」
珍しくクルルが声を荒げた、
「モア殿、タママ、ドロロを応援に・・・連絡を!」
「了解です」

モアに指令を出したケロロは振り返ったが其処に夏美の姿は無かった。
「あれ?夏美・・殿は?」

夏美は自室に戻っていた、制服のポケットからパワードスーツのSWを取り出すとSWをONにした。

光に包まれパワードスーツ姿になる。
「夏美、システム、オールグリーンだ」
ギロロの声をしたナビが発進O.K.を知らせる。

「ギロロ・・・」

パワード723は物凄いスピードでベランダから飛び出していった。
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