跡ジロ

□春の優しい…風邪
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春になったからって油断するもんじゃないね。
別に冬みたく防寒対策必要だねって言いたいんじゃない。
まぁ最近春のくせして寒かったし?
それなのにいきなり暑かったり?
気候の変化が大きいね。昼夜の気温の差も大きいね。
うん。
オレの体ってそういう変化に強くないわけ。
だからどうしようもないってゆーか。
結局何が言いたいかってゆーとだ。

風邪ひきました。

だから学校は休んだ。
いつもなら行きたくないなぁって思うのにいざ行かないとなると結構暇だね。
本気でつまらない。

やっぱりつまらないって言っても眠いものはいつもと変わらなくて。
結局眠っちゃった。

あー、薬飲まなきゃ。





あれ?
気付いたら窓の外はオレンジ色。
朝から寝っぱなしだったみたいで日が暮れそう。
薬も飲みそこねたしお腹空いたしサイアク。

風邪なんてひくものじゃないね。

何か食べたい。
でも動きたくない。

ガチャ

その時オレの部屋のドアが開いた。
鍵までかけ忘れたらしい。
母さんかなって思ったらオレが1番会いたい人だった。

「慈郎、具合どうだ?」
「跡部」

声が聞きたかったオレは跡部に手を伸ばした。
跡部はオレの手を優しく掴んでくれた。

「薬、飲んだのか?」

首を横に振ると跡部は小さくため息をつきベッドの横のサイドテーブルに乗ってる薬を取った。

「飯は?」
「食べてない。お腹空いた」

跡部はもう一度小さくため息をついて薬を元に戻す。
それから立ち上がってなんか作って来るから寝てろ、って部屋から出てった。

少し寂しい。

ってゆーか跡部、料理できんのかな。
キッチン壊しませんように。

なんて失礼なこと考えてたら跡部が戻って来た。
手にはお盆。
湯気が出ているお茶碗が目に入る。
お粥作ってくれたみたい。

「ほら、食え。薬飲めねぇから」
「ん」

オレ的に跡部が薬はお腹に何か入れないと飲めないって知ってたのにビツクリ。

「ありがと」

受け取ろうと手を伸ばしたら跡部に阻まれた。
びっくりして跡部の顔を見たら

「熱ぃだろ。さませ」

思わず笑っちゃった。

「何だよ」
「なんでもないよ。
オレって愛されてるなぁって」

跡部は一瞬驚いたみたいだったけどすぐに笑ってオレの頭を撫でた。

「当たり前だろ?」



風邪なんてひくものじゃないけど跡部がいてくれるならたまにぐらいならいいかなぁ。

ね、跡部?

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