跡ジロ

□熱、冷めないでいたい気持ち
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熱、冷めないでいたい気持ち


「跡部、オレのこと好き?」

いつもならこんなこと恥ずかしくて言えない、と言っている慈郎が発した彼らしからぬ言葉に跡部は軽く目を見開いた。
そして、

「好きだぜ」

そう答えたのだが。

「それってどういう感じに?」
「どういうって…愛してるって部類で」
「本当に?」
「あぁ。
いきなりどうしたんだ?
何かあったか」

その言葉に俯きながら慈郎は躊躇いがちに口を開く。

「いつまで、こうしてられるのかなって」
「不安?」
「ちょっと…」

そんな彼の様子にため息を落とし跡部は言った。

「大丈夫。俺はずっと慈郎のこと好きだ」
「跡部…」

跡部に言われたことを少し考えている慈郎。そんな彼の表情から、何だかまだ言いたいことがあるような印象を受ける。
そして、慈郎は意を決したのか言葉を紡ぐ。

「跡部。好きと嫌いって紙一重なんだって。
今は好きでも次の瞬間嫌いになるかもしれない。
怖い」
「…確かにそうかもしれないな。
けど、俺は慈郎のこと嫌いになんてならねぇ自身がある」

自分で感じるものがあったのか、慈郎は黙って跡部の話に耳を傾けている。
それを感じ取り跡部も話を続ける。

「不安なら、怖いなら何度でも言ってやるよ。
俺は慈郎が好きだって。
それでお前が安心できるなら、俺は何だってできる。
だからもうそんなこと言うな」
「跡部。ありがとう」

跡部の言葉を聞き、心の底から安心したらしい慈郎は、笑みを浮かべた。
その笑顔はとてもきれいで、しばらくこんな笑顔を見ていなかった跡部は嬉しくなり自分も微笑んだ。

いつまでも一緒にいよう。

子供じみた言葉だけど大切なんだ。


変わらないものは無いと言うなら、これから作ってしまえばいい
きっとそれは、証になるから

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