みじかめ
□ふらわー
1ページ/1ページ
「チェルヴィ!」
そうやって、大声で私を読んだのは姉のチェルミィ。
「なぁに?あんまり大声で話さないの」
「あのね!お庭に綺麗なお花が咲いたの!」
「えっ、ほんと!?」
私は読んでいた本をパタンとたたみ、
白いフリルがついたボンネットをかぶり、
ついでに日焼けはイヤだから日傘も差して外に出た。
−だって、今日は呆れる程の晴れ具合。
お天道さまは好きだけれど。
****
「チェルミィ?」
「あ、チェルヴィ!こっちよー」
チェルミィが指差す方を見ると
ちょんっと咲いた
可愛らしいたんぽぽ。
「わぁ可愛いたんぽぽ」
「ねー」
「もうすぐチューリップも咲きそうなんだよ!」
「そーなの?嬉しいね」
「うん!」
「……ルミィー!…」
ん?誰か呼んでる?
「…チェルミィ!チェルヴィ!」
お母様だ!
「チェルミィ、お母様よ!行きましょう」
「はぁい」
「なぁに?お母様」
私がそうお母様に尋ねると
お母様は口を開いた。
「実はね…」
ゆっくり言葉を紡いでゆく。
「貴女たちに婚約の話がきてるのよ」
両手をあわせ、にっこりと言うお母様。
…え?
ええええええええええ!
「だっ、だれとなの?」
「チョコリエータ家の長男と次男よ」
「しかも2人も貴方たちと同じ双子なのよ!」
そんないきなり言われても…
「とりあえず、今度の日曜チェリーネ家とチョコリエータ家の両家でお茶会を考えているの」
「もうお返事はしたから♪」
「えー、チェルミィめんどくさいなぁ」
「…チェルミィ、向こうのお家にはとっても美味しいお菓子があるわよ?」
「!行く!」
…なんて単純な子。
こうなったら私も向かうしかないのね。
まだ、婚約するかどうかはあとから決めれば良いことだし♪
お茶会ならとびっきりのお洒落しなくちゃ!
*******
ここからメルヘン国の物語は始まります!
ゆっくりですが短編を少しずつ続けるつもりです(*´∀`*)
よろしければ読んでいただけると何よりです(*´∇`)