**words**

□偽者はすぐに気付くよ
1ページ/3ページ


万事屋を掃除中、沖田さんの事を考えていた。

僕の恋人の沖田さん。

顔はとってもかっこいい。
性格はとっても優しい。
でもこの優しいって言うのは僕にだけなんだって。
正義感に溢れてるし、曲がった事は大っ嫌い。
いざとなったら頼りがいもある。
もし僕に兄上がいたらこんな人が良かったなぁ。
お仕事は真選組一番隊隊長をしててとっても強い。
身長は僕よりも少し高いくらい。
これを言ったらなぜか怒られたんだけど。

つまり、僕にとっては最高の恋人。
大好きで大好きで、大好きで止まない沖田さん。


ほんと、僕の恋人になってくれるなんて夢みたいだよ。

道端でばったり会った時だって実は飛び上がりたいくらいに嬉しいし、ぶっちゃけ抱き着きたい。
でも恥ずかしいし、なによりそんな事をしたら沖田さんに迷惑だ。

でも、僕は毎日だって会いたいし、毎日だって声が聞きたい。

僕はなんて沖田さんが好きなんだ!


ピンポーン


…あ、誰だろお客さんかな?
銀さんパチンコ行っちゃったしなー…。
神楽ちゃんも遊びに行ってるし……。


「はーい!どちらさまですかー?」

ドアを開ける前に名前を聞かないと開けちゃダメだって前に銀さんに言われた。
不審者とかいるんだからなって。

「開けてくだせぇ」

「!!沖田さん!」

うわぁうわぁ!開けないと!!
どーしよう!すっごく嬉しい!

「よぉ。ひとりかぃ?新八」

「はいっ!今は銀さんも神楽ちゃんもいなくって!あ、あがって下さい!」

「あがらせてもらいまさぁ」

「どうぞー!」

いつものソファーに腰掛ける沖田さん。
あ!お茶煎れないと!
銀さんのお茶菓子も出しちゃおう!

「今お茶煎れますね!」

「手土産があるぜぃ。ほら」

「え!え!ありがとーございますっ!じゃあこれでお茶飲みましょう!」

「よろしくー」

「はーい!」


速くお茶の準備しないと!
待たせちゃうし。


あー…僕幸せだ!
沖田さんの事考えてたら沖田さんが来てくれたっ!

「夢みたいだ!」

「なにが?」

「えぇっ!」

もらった羊羹を包丁で切っていたら後ろに沖田さんが立ってた!
こんなに近くにいたのに気付かないなんて……さすが沖田さんだ!!
かっこいい!

「なにが夢みたいなんでぃ」

「え?い、いやぁなにもないです!」

「なにもねぇこたぁねぇだろー?」

珍しく深く聞いてくるなぁ今日の沖田さん…!
でもそんなところもかっこいいし!

「よ、羊羹切れましたよ!向こうでお茶でも飲みましょうよ!」

「…ふーん。向こうで聞かせてくれるんで?」

「わ、わかりましたっ話しますから!」

「りょーかーい」

クスクス笑いながら去って行く沖田さんの後ろ姿もかっこよく見える僕は多分、もう病気なんだろうなぁ。


「持って来ましたー」

「おー待ってやしたー」

「なんですかそれ」

パチパチ、となぜか手を叩きながら迎えてくれた沖田さんに僕は笑ってしまった。

「俺ぁ夢みたいな話しを待ってたんでぃ」

「も、もうですか!?」

「向こうで教えてくれるっつったのは新八だろぃ」

そりゃ言ったのは僕だけどさぁっ!
いざ言うってなったら恥ずかしいじゃん!

「…沖田さん絶対に笑いますよ!」

「俺が笑うかどうかなんてその夢みたいな内容が決めらぁな」

ニヤニヤ笑う顔もかっこいいよチクショー!

「はぁ…あんまり笑わないように努力して欲しいです……」

「笑わねぇよ。…………………………努力する」

ニヤニヤ顔のまま沖田さんが言った。


「………今日はね、沖田さんの事ばっかり考えてたんですよ」

「…!…へぇ…。……で?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ