私は最強ヒロインです!!

□標的30{戦いの終わり}
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『っダメだ…止めなきゃ…』


ダッ!


癒真はそう言うと走り出した。

獄寺はそれを止めようとするが、手が届かず…

癒真はそのままザンザスのもとへ…


マーモン「受け継がれし、ボンゴレの至宝よ…若きブラッド・オブ・ボンゴレに大いなる力を!」


マーモンのこの言葉で、ベルが大空のリングをはめた…

すると、とてもまぶしい光が…

ザンザスは立ち上がる


ザンザス「力だ!!!とめどなく力があふれやがる!!!これがボンゴレ後継者の証!!

ついに!ついに叶ったぞ!!」

ザンザス!!ダメ!!!

ザンザス「これで俺はボンゴレの十代目に…」

だめぇぇぇぇええぇ!!!!


癒真は光で照らされたザンザスに手を伸ばす…


ドクンッ


ザンザス「!!!がっ


ゴパッ


『ザンザス!』

ザンザス「がはぁ!!


ドサッ

突然血を出したザンザス、ザンザスが倒れる直前に癒真は受け止めた。


マーモン「ボス!」

ベル「どーしたんだ!?ボス!」


突然の事にベル、マーモンはザンザスのところに駆け寄る。

すると、


ツナ「………リングが…ザンザスの、血を……拒んだんだ…

ザンザス「がはぁっ!!!

マーモン「ムム!お前何か知っているな?リングが血を拒んだとはどういう事だ!?」


ツナの言葉を聞き、マーモンは問う。

それにツナが答える前にザンザスが言い出した。


ザンザス「さぞ…かし…いい気味だろうな!ぶはっ
ハァ、ハァ…そうだ……俺と老いぼれは…血なんて繋がっちゃいねぇ!!


この言葉に、その場にいた全員は驚きで声を出せなかった…


ツナ「ザンザス…」

ザンザス「同情すんな!!ハァ…ハァ、ハァ…カスが!!」


その時、チェルベッロの一人が耳に手を当てた。そして、その隣にいたチェルベッロが何かのスイッチを押す。


スクアーロ≪お前の裏切られた悔しさと恨みが…俺にはわかる…≫


グラウンドに響く声は、チェルベッロが生存は否定されたと言われていた、スクアーロの声だった。

武「!スクアーロ!!」

ザンザス「生きてやがったのか…カスザメ……わかる…だと…?

てめーに…俺の何が分かる…知ったような口を…聞くんじゃねぇ…」


ゼー、ハーと荒い息遣いをしながらスクアーロの言葉を否定したザンザス。

その横顔は、どこか悲しみを感じさせるものがあった。


スクアーロ≪いいや分かる!!知ってるぞぉ!≫

ザンザス「なら言ってみろ!!俺の何を知っている!ああ?」


そう言われ、スクアーロは少し黙った。


ザンザス「いえねーのか!!」


それから、スクアーロは話し出した。ザンザスの過去を…

その内容を皆静かに聞いていた。

ザンザスが下町で生まれ、炎を宿していた事。それを見たザンザスの母親は九代目との間に生まれた子供と言う妄想にとりつかれた事…

それらを聞いてツナは話し出した。


ツナ「九代目が…裏切られてもお前を殺さなかったのは…最後までお前を受け入れようとしてたからじゃないのか……?

九代目は、血も、掟も関係なく誰よりお前を認めていたはずだよ

九代目は、お前の事を…本当の子供のように……」

ザンザス「っるせぇ!!気色の悪い無償の愛など!!クソの役にも立つか!!

俺が欲しいのはボスの座だけだ!!カスは俺を崇めてりゃいい!!俺を讃えてりゃいいんだ!!


ザンザスのこの気迫に圧倒される一同。

この後、ザンザスは血を吐き出し、指からリングがとれた。


チェルベ「ザンザス様!貴方にリングが適正か、協議する必要があります」

ザンザス「だ……だまれ!!叶わねーなら道連れだ!!どいつもぶっ殺してやる!!


ザンザスのこの発言にとうとう癒真が…

パンッ!

ザンザスを叩いた。


『……バカ、ザンザスのバカ…アホ、ボケ…カス!』

ベル「…え……」

隼人「なっ…」

ザンザス「何すんだ癒真!!」

『うるさい、叩かれて当然の事したでしょ…文句言えるの?』

ザンザス「んだと…!?」


ザンザスは癒真の顔を見た。

癒真はザンザスを受け止め、膝枕をし、俯いていたため、ザンザスにしか表情は分からない。


『…何が讃えるだ…何が崇めるだ…そんなのしたくないね…今のザンザスになんか誰もしない…したくなんかないよ!』


周りは癒真の言葉に驚きを隠せないでいた…


『無償の愛がいらない?バカじゃないの。いらないなんて言えるのは、それを貰えた人だけなんだよ!!

ほとんどの人はその無償の愛が欲しくて堪らないんだ!だから他の人と仲良くなって、恋人作ってってするの…ザンザスはそんな苦労をせずに貰ったんだから幸せなんだよ!?
自分だけが不幸みたいな顔しないで!!!
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