復活♪

□応接室で…
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人々が恐れる人物、その前に堂々と立つ彼女…

普通にこの風景を見たなら誰もがこの少女が咬み殺される事を想像するだろう。

特に、


『だって恭弥が教室にいる時に呼び出すからだよ、バカッ』


ニコニコと笑いながらこんな言葉を口にしたりした時。

しかし実際は、


「…ごめん、どうしても会いたいと思ったんだ…」


こんな事を言う雲雀。

…何処かに頭でも打ったと思ってしまうほどの変わりようだ。

猫耳でも付いていればシュンとしている事だろう。

そんな雲雀を見て、


『プッ、きょ、恭弥面白い…』


口に手を当て、プルプルと震えながら笑っている。

そんなサンを見て、雲雀は何を思ったのか、急に机の引き出しから何かを取り出した。


「サン、いい加減笑うの止めて、」

『っ、わ、わかったよι』


雲雀がサンに注意する。

少しばかり雲雀の機嫌が悪くなったようだ。

それを察知してか、少し冷や汗をかきながら笑うことを止めた。


「ねぇ、僕達が付き合ってもう一年たつよね?」

『そうだね、早いよね一年たつの』


この会話から、二人が恋人同士なのが分かった。


「それでね、ずっとサンが僕から離れないように、首輪を付けとこうと思って」

『……首輪?』


首輪という言葉に疑問を持つサン。


「そう、手、出して」


雲雀がそういうので、何をするのか分からないがサンは素直に手を出した。

すると、

スッ…


「絶対にはずさないでね、これは予約だから」


雲雀はサンの右の薬指に何かをはめてそういった。

その雲雀が首輪というものは…


『え、ゆ、指輪…?』


応接室の窓から入る光を浴びてキラキラと光る指輪だった。

いきなりの事に頭が追いつかないサン。

そんな彼女に雲雀は言う。


「……ずっと、君しか愛さないから…覚悟しててよ」


そんな言葉を聞き、サンは状況が理解できたような顔、そして驚いた顔をした後、

満面の笑みを浮かべ


『…それはこっちのセリフ、恭弥しか愛さないから、覚悟しててね』


こう言い返した。

そして、二人は微笑みあい


『「望むところ」』





その数年後、何処かの誰かが幸せそうに結婚式を開いたのは、


また別のお話――――――








、END

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