逆トリ!
□07日目
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昼。
ガチャッ
「たっだいまー」
「あら、おかえり。思ったより遅かったわね」
「いやー、何か分っかんねーけど野次馬?みたいなのに道阻まれて…野郎だったらさっさとピーーーーーすれば退いてくれっけど、女の子ばっかだったからどうにも時間が…って、そうじゃなくて、母さん歌儚は?」
「歌儚だったらリビングでのんびりテレビ見てるわよ」
「え?今日って休日だったか…?」
「やーね、違うわよ。今学校でインフルエンザが流行ってて、一週間お休みなのよ」
「あぁ、そういうことね。りょーかい。ってことで歌儚に会いますかね」
こうして一人の少年?青年?はリビングに向かった。
一方リビングでは。
『ねぇ、食事中もそんな感じだったけど、骸何深刻な顔してるの?』
私がそういうと、骸は少し驚いたような…それでいて呆れたような顔を向けてきた…
「歌儚、それ本気で言ってますか?」
『え、何が』
「はぁぁ…いいですか歌儚、貴女のお兄さんが来るということはつまり僕の事がばれるということです。
隠しているつもりはありませんが、貴女が最初に僕の説得に使った漫画…つまり“家庭教師ヒットマンREBORN!”が置いてあった場所はお兄さんの部屋。つまり、お兄さんも僕の事を漫画の登場人物として知っているという事です…
ということは?」
『……当然驚いたりする…ってこと?でもそれだけじゃ骸自体に害はないんじゃ…』
だってお兄だし…
「…じゃあ聞きますが、歌儚がもし超有名人…今テレビに出てきたこの人で良いでしょう。この人に会ったとしたらどうします?明日は学校があるという事にして」
そりゃあ…この人でしょう?学校でも話題の人だし、もし会ったとしたら…
『自慢する。友達とかに撮った写真とか見せたり、赤外線で画像あげたりしながら自慢する』
すっごい嫌な人っぽいけどするなぁ…羨ましいって言ってもらった事ないし、そういう風に言ってもらいたいって思ったりするから…
「それと同じです。歌儚には失礼な物言いだと思いますが、僕はそのお兄さんがどういった人か分かりません。なので、学校でクラスメイトに言いふらす…何て事もあるという事を考えています。」
決して僕自身が有名だから等という事ではないんです。“漫画の人が現実にトリップした”という事実がある限り、その考えは捨て切れません。
という骸。確かにそうかもしれないと思った。お兄はどう考えてもそんな事をする人だと思う…(若干ヒドイ)
というよりする、確実に!(若干じゃなくなった!?)
ガチャッ
「歌儚、ただいま〜!お兄様の登場だ…ぞ………」
「『………あ、』」
お、お兄…
「………………………………………………………………誰だ!?」
あぁ…憂鬱だよ…
―終―