逆トリ!
□06日目
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その後、私は家の周りを探した。公園だったり、お店だったり…
でも、見つからなかった。
今日行ったショッピングモールも行ったし、隣町まで行ったりもした。
けど…
『っ、ハァ…ハァ…ハッ…ハァ…っ、何処、に…いるの…?』
やっぱり…見つからなかった…
元の世界に帰ってしまったのか…そう思って家に帰ろうと思っても、やっぱり周りを気にしてしまう…
さっきまでは、骸がいつか“元の世界に帰ってしまう”って事を理解して、あまり仲良くしてなくて…
正直、名前だって意識して言わないようにしてた。
…でも、でも…
『っ、こんな事になるんだったら…名前呼べばよかったかな…』
今更後悔しても遅い…かな…?
「…こんな所で、何をしてるんですか?」
『え…』
「公園で楽しそうに遊んでいる…というわけでもないように感じますね」
骸の…声。
それが後ろから?うそっ…
『骸…?』
「そうですよ、どうしました?」
後ろを見たら、やっぱり骸だった。
『…骸、何処に行って…』
「…少し、考え事と…あなた達にお世話になるんですから、何かをと思いまして」
骸はそういいながら手に持っていた袋を私にくれた。
「…所持金が少ないためにこんな物しか買えませんでしたが…」
カードは使えなかったようなので。
そう言われつつ、袋の中を見た。
すると、そこには私の好きなお菓子と、お母さんが大好きなお菓子とが入っていた。
『え、何でこれ…』
「貴女が寝言で“チロ●チョコ”と言ってましたので、それと、お母様の方も寝言で…」
『ね、寝言…』
「はい。それでは帰りましょう。もう直ぐ日が暮れてしまいますよ」
『分かった。あ、それと…』
今日から骸って呼んでいい?
はい。じゃあ僕も歌儚と呼んでも?
喜んで。
。。。。。