逆トリ!

□05日目
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晩御飯中…


『…どう?』

「美味しいです」

『良かったー』


お母さんが風邪をひいてるので私が晩御飯を作る事になった。

味付けは少し薄めにして、後から自分の加減で調節できるようにしたけど、骸にはこの薄さが良かったようで。


「歌儚〜」

『はーい』


お母さんは自分のベットに横になってて、お腹が空いたら私を呼ぶと言っていたから、今がそのときなんだろう。

私はあらかじめ作っておいたお粥をトレーに乗せて持っていく…

ガチャッ


『お母さん、体調どう?』

「歌儚のおかげで大分楽よ!」

『そっか、じゃあ起きて!お粥持ってきたから』


するとお母さんは、はーいと言いながら軽々と起き上がった


―――――――――
――――――


「ごちそうさま、上手くなったわね歌儚」

『ありがとう、お母さん』


お母さんの言葉はお世辞とか一切入ってないから嬉しい…

お母さん、子供とかにも容赦無しに物事を言うからι私が小学校のとき…


『ママ!』

「なあに歌儚?」

『今日の家庭科でおみそ汁作ったんだよ!ママにも食べてほしいから、夕食作ってもいい?』

「えぇ、お母さんはここで待っとくわ」


…コトッ…


『どうぞママ!』

「…(ススッ)……」


…コトッ、


「……味が濃い…それに、だしのとり方もなってないわ!もっとお客さんの事を考えて出さないとだめよ!!味は少し薄め、だしのとり方は…」


ペラペラペラペラ…


『マ、ママ…?』


ピタッ。


「…歌儚、今から特訓よ!!



あの後、泣きながら…じゃない、号泣しながら特訓したんだよね…あの時ほどお母さんが怖いと思ったことはなかった。


『じゃ、もう少し寝ててね』

「分かったわ、あ、骸君とのデートどうだった!?」


………ガチャッ


『っ!あ、危なかった…お母さんなんて事言うの!おかげでトレー落としそうになったじゃん!!』

「ごめんなさいね?で、どうだったの」

『デートじゃないでしょ、ただの買い物だよ?何もないに決まってんじゃん』

「つまらないわね、あんな格好いい人つかまえておかないと!」

『そんなこと言っても…』


漫画の世界の人だし、いつ別れが来るか分からないじゃん。

あ、それで思い出した。骸放置したままだ…


『お母さん、もう戻るね。骸放置中だったから』


パタンッ



。。。。。。
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