逆トリ!
□04日目
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……で。
「ゴホッゴホ。し、しんどいわ歌儚…」
『やっぱりね、お母さんは予想を裏切らない人だねホント』
結局風邪をひいてしまったお母さん。自業自得だとは思うけど、一人にしておくのもなぁ…
「っ、歌儚、骸君、私の事は気にしないでお買い物行ってきなさい…」
「え、ですがお母様が…」
「私は大丈夫よ、心配しないで骸君。それに………」
サッ、ジャー…、ピッ、ウィーン、トントントン…ガチャッ、ガサゴソ…
「歌儚がしてくれるもの!」
『お母さん、自慢する事じゃないよ!次から気をつけてよ?』
「はーい」
ったく…いつも風邪ひいた時はこれなんだから…
私は二人がリビングにいる間に、朝食を作り、掃除もし、お母さんのためにお粥を作り、体温計と冷えピタを用意した。
それらが終わってからリビングに料理を持っていくと…
「でねー、これがその時の写真なのよー」
「そうなんですか、お父様はイケメンですね。お似合いのカップルです」
「きゃー!骸君お世辞上手ね、惚れちゃうわ!」
…などと盛り上がっていた。
『お母さん、何してるの?』
「あ、歌儚!今ね、若かった頃のお母さんとお父さんのツーショット写真を骸君にお披露目してたのよ!」
「とてもお綺麗ですよ」
『お母さん風邪ひいてるんだから大人しくして!お粥このまま冷凍保存しちゃうよ!』
「それは止めて!!お母さんが悪かったわ!」
『ん、それじゃ朝ごはんにしよう』
―――――――――
――――――
ガヤガヤ…
「人が多いですね…」
『うん、この中に絶対にREBORN!ファンがいるはず…気をつけてね』
「はい、僕も騒がれるのは避けたいですし」
『じゃ、いこっか』
今は家から徒歩約二十分かかるショッピングモールに来ています。
平日なのに人が多いこと…骸の事がばれないように、帽子を目深に被って、服装は兄のものを…(お兄、スタイルとか抜群に良かったから…)
最初は日用品を買いに行った。
やっぱり人が多かった。歯ブラシ、コップ、お箸などを買って、次は洋服を買いに行った。
ほとんどが女性向けの洋服店ばかりで、男性の服を置いている所を探すのに苦労した。
ようやく見つけたお店で十着ほど購入して、骸とは少し別行動。
「じゃあ、僕は下着を買いに行きますので、貴女は少し休憩していてください」
『うん、じゃあ此処の椅子に座って待っとくから』
その後、思いのほか早く骸が来たので、何処かのお店に入る?と聞くと、
「いえ、少し人ごみに居過ぎて気分が優れないので…」
『そっか、じゃあ帰ろう』
「はい」
こうして、ショッピングを終えた。
おまけ
「歌儚〜、お母さん寂しいわ〜、早く帰ってきてー」
歌儚達がショッピングに行っている間、ずっとこう言い続けていたお母さんだった。
―終―