海賊日記
□魚人島T
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『・・・それで、その下降流に乗っていけば一気に海底へ進むってわけ。』
「「「へェ〜〜〜。」」」
ここはハートの海賊団の船の甲板。
船員たちは皆海底の神秘を目の当たりにしている。
「もう下降流が見える。」
ローの視線の先を見ると・・・
大きな音とともに目に入ってきた
「「「巨大な滝だァ!!!」」」
『これが、“下降流のプルーム”・・・!』
大きな地鳴りのような音を響かせ、真下へ向かう大きすぎる海流。
「船長!こんなデカイの大丈夫なんですか!?」
シャチが焦って言う。
他の船員たちも同じように焦っている。私も心配だ。
「保障はねェがこれに乗る他に策はねェ。」
ニヤリとシャチに向かって笑うローは相変わらずだ。
「行くぞ。」
「「「おォー!」」」
やっぱりローはすごい。
ローの一言で大丈夫だと思えてしまう。船員を纏め上げてしまう。
船は大きな下降流の中へ入り、物凄い勢いで急降下していった。
下降流に入る前はまだ光があったけれど、今はもう僅かな光もない。まるで黒い部屋の中に閉じ込められているようだ。
「全員いるか。」
ローは平然とした声で問う。
「生きてるかー?」
「大丈夫っすー・・・」
「腰打ったぜ〜・・・」
「何も見えねェな。おい、外灯を灯せ。」
外灯を灯すと・・・そこには・・・
『きゃーー!!』
「うおっ!!」
「なんだこれ・・・!」
不気味な色をした深海魚がこちらを見ている。
「キャプテン!大きい深海魚が襲ってくるよ!」
「戦うか!」
『そんなことしたらコーティングが割れる!』
「そういや、コーティングしたときに船長、コーティング職人から何か聞いてましたよね?」
「あァ。・・・おい、魚人島まであとどのくらいだ。」
「あと2千mくらいです!」
「船長!目の前に崖が!!下は見えません!」
「やべェよ!後ろには深海魚、前には断崖!」
「フフフ・・・」
「せ、船長!何笑ってるんですか!」
「面白ェ。・・・崖に飛び込め。」
「「「はァっ!!?」」」
『・・・!!わかった!』
「ちょ、おい**!?」
『目的地は海底1万m。今この地点で約8千m。この崖の下が見えないってことは、相当下へ行けるはず!もしかしたら魚人島に着くかもしれないじゃない!』
「「「な、なるほど・・・」」」
「早く行くぞ。深海魚はすぐ後ろだ。」
「「「おォー!」」」
船は更に下へと潜っていった。