海賊日記

□死の外科医V
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“海賊達の記憶を消してもかまわない”


夜、世界政府の人間が言っていた言葉を思い出した。

私は、海賊の能力の探索の他に、私のこのメモメモの能力で海賊達の記憶を消すという事も任されていた。

それは私の判断でいいらしいから、必要な時意外はそれはしなかった。


私が記憶を消すときは、別れるとき。
私と共に過ごした記憶を、船員全ての中から消すことで、難なく別れてきた。

私は親しんできた海賊達の“私”を消すたびに、心が黒くなっていくような、悲しみに似た感情に包まれた。




何も、記憶を消すことだけをしてきたんじゃない。

隙をついては、いろんな記憶を覗いてきた。



だから、今回もローや船員全員の記憶を覗いておこうと思う。



なんとなく甲板に出ると、ローが海の前方を眺めていた。



『ロー』

名前を呼び、すぐ隣に立って同じように海を眺めた。

ただ、何も言わずに立っていた。

チラリとローを見れば、
その瞳は苦しんでいるように感じた。




・・・きっと、今が記憶を覗くチャンスだと思った。
だからローにさりげなく、ほんの少しだけ触れて、その記憶を覗いた。
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