海賊日記

□死の外科医
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「キャプテーーン!!キャプテンキャプテン!!!!」

「うるさいぞベポ。」

人が気持ちよく寝ているところに、うちの白熊が邪魔してきた。


「アイアイ、ごめんなさい」
打たれ弱いのを早く直してほしいと毎回思う。

「用件は何だ。」
「島が見えてきたよ!」

「上陸の準備をしておけ。俺は寝る。」
「アイアイ!」


うちの白熊が部屋を離れるのを耳で確認し、再び目を閉じた。



・・・・どたどたどたどた


バンッ!!

「船長船長!起きてください!」
白熊の次に現れたのは、キャスケット帽を被りサングラスをかけた戦闘員のキャスケット。

「・・・・何だ・・」

どうでもいい内容だったらバラす。

「それが、すっっげぇ美人な女が俺の目の前にいたんです!!」

だらしなく鼻の下を伸ばしながら興奮しているキャスに呆れるしかなかった。

しかし、「美人」はともかく「目の前にいた」ってのが気になるな。
キャスが寝ぼけて言っているのか、それともこの船に侵入者か。

しかしここ1ヶ月は上陸などしていない。
一体なんだ。



――――・・・・


「・・・・・?」
「・・・・・。」

「・・・あっれー?さ、さっきまではいたのになー?あ、あはははは・・・」
引きつった笑い声が甲板にいる他の仲間たちの耳に入る。

「・・・・・・。」
「せ、・・・船長?」

「キャスケット・・・気を楽にしろ・・“room”」
「ぎゃあー!!船長待った待った!!ホントにさっきまではいたのにー!!!」





どうにもならなくなったキャスは放っておくとして、

「ペンギン、ベポ、キャスケットの言ってた事は本当なのか?」

「女なんていませんよ?なァ?ベポ」
「うん!それより、なんか甘い匂いしない?」
「・・・?しないだろ。」

結局女がいたという話はキャスケットの寝ぼけ話になった。


キャスケットのせいで眠気が吹き飛んでしまった。



まっすぐ眺めれば上陸する予定の島。

仕方ねぇ・・・このまま起きてるか。





「ベポ、枕になれ。ペンギン、船はあの砂浜につけておけ。」


「アイアーイ!」「了解!」
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