海賊日記
□断れない仕事
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「##中将、お茶です」
『あぁ、ありがと。こうも仕事がないと、どこか出掛けたくなりますよねぇ。』
「はぁ・・・」
少尉さんが入れてくれたお茶を啜りながら、天気のよい空を眺めていると、電伝虫がなった。
ガチャ。
「**、話がある。部屋まで来てくれ」
『仕事ですか?はい、今行きます』
センゴクさんからお話なんて、ロクなものじゃないけどね。
“正義”と馬鹿でかく書いてある上着を羽織り、綺麗に掃除されている廊下をパタパタと歩いた。
私は、この廊下を歩くのが少し嫌いだ。
なぜなら、
「見ろ、##中将がセンゴク元帥の部屋へ向かってるぞ・・」
「新たな仕事か・・?」
「いや、元帥のコネで昇進するんじゃないか?」
ひそひそと、影で私の悪口を言っている声が聞こえるから。
実際は、コネなんてするわけないし、中将以上の権力なんて必要とは思わない。
中将までこれたのだって、自分の実力だけだ。
いや、実力なんかじゃないのかもしれない。
この能力で、ここまできたのだから、私は実力なんてないのかもしれない。
・・・・・あぁ、また感傷に浸っていた。
いつもの事だ。
悪魔の実を食べてしまったのが悪いんだ。
そう割り切ると、いつの間にかセンゴクさんの部屋の前に来ていたことに気づいた。