そしてあなたに出逢った
□海上生活
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『お願い。**を見つけるまで、この船に置いてください。』
頭を下げた。
私だって、ものの頼み方くらいは知っている。
相手が悪者だとしても、それは同じ。
私は**が、彼女の世界を教えてくれたから、彼女がいるから、この世界に来たんだ。
**は私を探してくれているだろうか?
悪魔は満足げに笑った。
「許可する。」
『・・・ありがとう!』
「船長は俺だ。俺に従え。いいな?」
『はい。』
乗船許可を貰ったところで、船はガタン、と大きく揺れた。
「野郎共、出航だー!」
「「「おォー!!」」」
何故だか、この船に乗っている全員が逞しくて、眩しく見えた。
「そういえば、お前の名前はなんだ。」
ひと段落したところで仮面に言われた。
『そういえば、私もあんた等の名前知らない。』
「・・・いや、まさかそりゃァねェよな?」
船員の一人に苦笑された。
『いや、本当に知らないんだって。誰?この悪魔。』
悪魔を指差した。
「「「・・・。」」」
全員が黙ってしまった。
え?だから誰?なにこの人?
「俺の首には3億がかかってる。わかるか?」
悪魔に頭を鷲掴みされた。
痛い痛い頭蓋骨割れる!
『あれでしょ?賞金首ってやつ。でも3億ってすごくない?なにその額。』
「キラーは1億1千万だ。」
『だからなにその億越え。億とか、そんな単位知りませんけど。』
「俺たちが“超新星”と呼ばれてるのを知ってるか?」
『え?なにそれ、かっこいいー』
「億を越える海賊ルーキーはそう呼ばれる。何も俺たちだけじゃねェけどな。」
『あ、ルフィも億越えだよね!』
「なんで麦わらは知ってんだよ!」
『え、(漫画で)見た。』
「でも俺は軍を抜いてトップにいる。」
余裕そうに笑うキッド。
『・・・なに言ってんの?』
「・・・あ?」
キッドの目が変わった。
船員達もキラーも黙っている。
『確かに3億とか凄いけど、余裕ぶって調子乗ってるとあっという間に抜かされるんだからね?』
「説教か?」
またそうやって睨む・・・。
『いくら高い金額がかかってたとしても、中身が相当しなきゃ意味無いって話!』
波の音がやけによく聞こえる。
『大体ね、自信過剰なんだよあんた等は!世界中の人間があんた等のこと知ってると思ったら大間違い。もっと向上心持ちなさいよ!』
一息で言ったから少し疲れた。
だから私、どこぞの肝っ玉母ちゃんだよ・・・。
「お前、名前は。」
悪魔が睨まずに見下した。ふてぶてしい奴!
『・・・##name2# #name1##。よろしく。』
「名無し、お前の部屋はその扉を入って一番奥の突き当たりだ。掃除でもしてろ。」
この場に残ってやろうかとも思ったけど、正直身体は疲れている。
ちょちょいと掃除して眠ろう。
『わかりました!』
眠れると思ったらテンション上がってきたー!
走って自分の部屋である場所に向かった。