海賊日記

□死の外科医
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「あ、キャプテン!もう上陸だよ!」

「・・・あぁ。」



飛び降りて街の方へ向かおうとしたときだった。


「あっ!りんごだー!!」


ベポが砂浜に落ちていたりんごを手に取り、シャリシャリと食べ始めた。

「ベポ、勝手に拾い食いするな。」



・・・砂浜にりんご?

誰かいたのか?



「あれ・・・キャプテン、コレなんだろ?」


ベポが指差す砂浜には、木の棒で書かれたメッセージ。



「“ハートの海賊団、夜8時にここの反対側にある海岸に来なさい”。・・・船長、どうするんですか?」

「コイツ、俺に命令してるな。フフ・・・行ってやろうじゃねぇか。お前らもついて来い。」

「なんかおもしろそうだね!」
「あ、でも船長、キャスを元に戻さないと着いてこれませんよ?」
「・・・・チッ・・」






――――――島の酒場


「よ、よかったー・・・!」
「キャスも少しは学習しなよー」
「だってアレはよ!」


「船長、相手は海軍じゃなさそうだけど、本当に行くんですか?」
「あぁ。」

グラスを傾けながら短く返事をした。


「ただのいたずらかもしれないよ?」

オレンジジュースを飲み干して、物足りなさそうなベポの目の前に大きな肉を乗せた皿を出した。

「いや、アレは何かあるな・・・。相手は女だ。」
「女っ!?じゃあ俺の前に立ってた美人かもしれないぜ!?」
「キャスも懲りないねー」


筆跡や口調からして、女であることは間違いない。
しかも俺達、ハートの海賊団があの砂浜に船をつけると予想して書いていた。

もしその女だったら、一体何が目的だ?





時計は7時52分。





「そろそろ行くか・・・」
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