Earnest feeling

□第1章
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あれは、凍えるように寒い冬の朝。

あがったばかりの太陽が町全体を包むように日を照らしていく。

学校に向けて歩き出す。
コートの間から冷気が入り込んでくる。
それが不愉快でたまらない。
悪態をつきながら一歩ずつ進んでいく。
今日もいやな現実が待ち構えている。
人ごみを抜けて電車で少し遠い私立中学校に向かう。
通勤ラッシュの電車に乗り込み、吐き気がする車内にほおりこまれて数十分。

やっと開放されると今度は長い道のりを歩く。

上り坂を登っている途中、いきなりめまいがしはじめた。
そのまま、目の前が暗くなっていく。



新沢 真奈。中学2年。

私の名前は、そうなはず。
だけど、今耳元で大声で叫ばれてる名前はまったく違う。
アメリカ人というか物語にでも出てきそうな名前。
もう!うるさいな。もう少し寝させなさいよ!!
心の中そう思っても、相手には伝わるわけもなく、声はやまない。
それも一人の声じゃない。

「ナーエールーおねーチャンー。」
「こら!ナエル様と呼びなさい!」
「えー。ライトにーちゃんはにーちゃんなのに?」
「この人は別格なんだよ。」
「えー変わんないし、ライトにーちゃんのほうが偉いくらいの人みたいだよ。」
「僕は、偉くないよ。」

もう!!!!うるさい。耳元でわけのわからない話をするな!!!

ドン!という音ともに息苦しさが迫ってきた。

しかたがない。起きようかな。
目を開けると・・・、そこには。

たくさんの子供たちの目。

このあと、真奈がさけんだのは言うまでもない。


つづく
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