□第4章
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体育祭が終わり、最後の夏が終わった感じがした。
家に帰るときでさえ、寂しさが自分を包み込んできて、涙が出そうになった。

その日は、お風呂をゆっくりつかりながら、いろいろなことを考えた。

受験まで、あと4ヶ月。どうあがいたって、卒業まで6ヶ月。
この中学から自分がいなくなる。
後輩が駅伝部を引っ張る。

今の自分じゃ考えられないことだった。

それを考えるだけで胸が痛くて、つらかった。

声を殺して涙が止まるまで泣いた。

私の部屋には、本がたくさんある。
だけど大切な本は、机の上に飾ってある。
その本の表紙を見るだけで、今の自分を励ましてくれるし、反省もできるから。

時間は止まってくれない。
だからこそ、1秒が大切。
でも、わかっててもそうできないことってある。
その時間もすべて自分なんだってその本たちは教えてくれる。
「あなたが本当にほしいものは、自分が輝ける 居場所 なんだ。」
といってくれる。

莉唖は、いつもそうやって生きてきた。

本に書いてあることを自分の生きる、歩いていく道しるべにしていた。

だけど、それだけじゃ、悲しい気持ちは取れなくなってきた。

支えてくれる人がほしい。

そう強く思うようになっていた。


つづく
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